2.株式会社としての経済的責任
「堅実な企業活動による価値創造経営」の実践
加速する高齢社会の進行のなかで、介護事業の重要性がますます高まっていくことはいうまでもありません。心の通う、質の高い介護サービスの提供により、ご利用者とそのご家族の豊かな生活をご支援しつつ、この事業活動を永続、発展させていくことは、介護サービス事業を行う企業の基本的な社会的責務であります。この責務を遂行していくためには、厳しい国家財政、地方財政の事情を反映して介護報酬の抑制的運営が持続されるなか、サービス業としての一段の品質向上とともに、生産性を高め収益力を強化し、この事業を自由な市場経済体制の枠組みに適応できる強靭な企業体質を構築することが必要です。 私たちは、日々の地道な事業活動による果実を原資とし、各ステークホルダー及び社会への適正な利益還元を行うことを通じて、介護企業としての「社会的責任」を果たしてまいります。このような観点から当社は、「経済価値の創出による企業価値の創造と向上」を目標とし、その実現のために「堅実な企業活動による価値創造経営の実践」を基本方針としております。
@経済価値の創出
企業は、株主様から出資された株主資本と、国民の預金を裏づけとする金融機関からの借入等による資本を投下して、事業を運営しております。それらの資本のコストを上回る利益率を確保することによって、はじめて経済価値を創出することができます。したがって、それができなければ社会からお預かりした貴重な資本や資源の価値を毀損したことになり、社会的に許されません。 したがって当社は、社会の付託に応えて着実に経済価値を創出するために、次の施策を基本原則としております。
* 投下資本利益率 (ROIC) > 加重平均資本コスト (WACC) の確保
A投下資本利益率向上のための収益体質強化
(イ)「高品質サービス」、「高付加価値サービス」の開発、提供による競争力の強化
(ロ) サービスの標準化を通じての低コスト・高品質オペレーション等による生産性の向上
B資本構成の最適化による資本コストの抑制
財務活動の過程において、常に資産負債比率(D/Eレシオ)の適正化に留意し、投下資本のコストを抑制することにより、経済価値の創出に努めております。
経済価値の各ステークホルダー及び社会への還元
当社は、経済価値の創出による「価値向上」の果実を、適正に配分することによって各ステークホルダー及び社会への還元を図り、「株式会社としての経済的責任」を果してまいります。
@ 安定的かつ適切な配当水準と配当性向の設定
A 社員の待遇、労働条件の改善
B 介護保険財政・国家財政の負担抑制への寄与
C 適正な納税による国民への利益還元と社会福祉への貢献